ペットを飼われている方なら、誰でもたまに思うのが
「ペットと会話ができればイイのになぁ~」
ではないでしょうか。
わが家にも、今年の5月で20歳(人間に換算すると96歳らしい)を迎えた、オスの超高齢猫がいるのですが、数年前から認知症の症状がではじめました。
できる限りの方法を試してもダメ、こんな状態が数年つづいたため、毎晩の寝不足もあり、家族全員の精神状態もかなり参っていました。
「何をどうして欲しいの?」と、何度話しかけたことでしょう・・・
TV番組『天才!志村どうぶつ園』で、動物と話すことができるハイジさんを見た時、「うらやましい」と心から思っていました。
ところが先日、ちょっと不思議な体験を2回ほどしたので、記録しておこうと思います。
YouTube動画はこちら⇒ 猫とテレパシーを使って会話したチョット切ない話
20歳でやっと懐いた黒猫の「クロ」
超高齢猫の「クロ」は、母猫と姉妹猫にはベッタリくっついて離れず、人間のそばには寄ってこないという、まったく懐かない、忍者のような猫でした。
3年前に姉猫が逝ってしまってから、わが家のペットは懐いていない「クロ」だけになってしまいました。
そんな「クロ」も、ひとりぼっちになって1年くらい経った頃(当時18歳)、甘えられる仲間がいなくて淋しくなったのか
たま~に膝の上に乗ってくるまでに懐いてきたのですが、寝ているとき以外は相変わらず、一日中鳴いている状態でした。
そんなある日、5月に20歳を迎えた「クロ」が、スーッと部屋に入ってきてベッドに飛び乗り、そのまま布団の上でリラックスしています(珍しい)
わたしが部屋をでると付いてきて、部屋に戻るとベッドの上で待機……
こんなことは、20歳になるまで一度もなかったことなので、すごく驚きました。
なんと! この日をさかいに、寝る時も一緒、調理中は足元、トイレ中はドアの前、完全に超甘えん坊な猫となっていくのです。
テレパシーで交信してる?
毎晩一緒に寝るようになって約二ヶ月、朝早くから耳元で「ニャー ニャー」とご飯の催促で起きるのが日課となってきました。
ただ、猫の朝は早く、いつも4時とか5時に起こされて、すぐに起きれる時もあれば、そうでない日もあります。
そんな時は「起きるからちょっと待ってね」なんて言いながら、クロをなでなでして数分の時間稼ぎをしていました。
早朝起こされるのは辛いけど、寝起きに猫をなでられるのは至福の時間。
その日も、そんな感じで頭を撫でていたら「クロ」は静かになったのですが、しばらくすると……

お腹すいたよ~

ちょっと待っててね

お母さん!ご飯食べたいよ~

わかったから、ちょっと待ってて~
そんな会話をしていて、ふと気づいたのですが……
「えっ!?」
「え゛ぇーーーーーーーーーーーー!!!」
そうです、脳内に非言語交信(テレパシー)で、クロの考えていることがビンビンに伝わってきました。
それに気づかない私は、普通にテレパシーで「クロ」と会話をしていたのです。
しかも、わたしのこと「お母さん」って言ってた!
ビックリするやら、嬉しいやら、なんとも言えない不思議な気持ちになったのですが、「いやいや、そんな風に感じただけでしょ?」と……。
自分のなかでは半信半疑というよりも、疑いのほうが大きいほど!
その日は一日中、不思議な気持ちで過ごしながら、「もう一度交信してみよう」と何度も意識を集中して「クロ」を見つめたりして……
でも、クロはいつもどおり「ニャー」としか言ってくれませんでした。

ニャー
半信半疑から、確信に変わったテレパシー
なんともスッキリしない気持ちで過ごした数日後のことです。
いつものように、早朝から耳元で「ニャー ニャー」とご飯の催促がはじまりました。
この日は、めまいが酷く、すぐに起き上がることができなかったので、少し寝たフリをしていると、「クロ」がわたしの背中にピタッとくっつき、静かになりました。
「ごめんね?めまいが治まるまでちょっと待ってね」
心のなかで謝りながら、症状が落ち着くのを待っていると……

ここに居ていいの?

いいんだよ!ここに居て

ボク、この家に居ていいんだよね?

クロは家族だよ!
この家の子だから居ていいんだよ~
なんて悲しい事を言い出すの!たまらなくなったわたしは、身体の向きをかえて「クロ」をギューっと抱きしめました。
「クロ」は何か言っていたような気もしますが、思い出せません。
そしてこの時もまた、会話の後に気づきます。
「えっ!?」
「えーーーーー! やっぱりテレパシー?」
「クロ」をギューっと抱いたまま、数日前の体験は気のせいではなかった!という確信に変わったのです。
ただ、同時に「この家に居ていいの?」という言葉にすごくショックを受けました。
ひとりぼっちになって、やっと人間に甘えられるようになった20歳の「クロ」、不器用すぎて泣けてきます。
痩せてしまい、足元もだいぶフラフラしてきたけれど、今までの分を取り返すくらい甘えさせてあげようと思える、とっても貴重な体験でした。
さいごに

いまのところ、テレパシーでの会話に成功したのは、この2回だけです。
最初にご飯の催促をされたときは、わたしも言葉を発しない会話でしたが、2回目に交信したときは、わたしの方は言葉を発して返事をしていました。
それから何度も「クロ」の顔を見ながらテレパシーを送っているのですが、な~んにも受信できません。
また何かが起これば、ブログで報告したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとう御座いました。

ニャー ニャー
追記:「クロ」は天国へ旅立ちました
2018年10月20日 AM3:30頃、「クロ」は静かに天国へ旅立っていきました。
18日の朝早、いつものように足元にまとわりついて、くっついて歩いていたのですが、しばらくすると歩くのもツラそうにフラフラと……
ソファーに寝かせてあげると、それから自力で立ち上がることができなくなっていきました。
あまりに突然でしたので、慌ててスープ状やペースト状のフードと猫用ミルクを購入し、シリンジで介助しましたが、食欲もないらしく嫌がっていました。
今まで3匹の猫を看取ってきましたが、猫は直前まで頑張って行動することが多いため、人間からすると突然衰弱したように感じてしまいます。
夜はわたしのベッド横に「クロ」の即席ベッドをつくり、一晩中からだをさわりながら寝ました。
19日、昨日よりも食欲が落ちてしまい、水も嫌がるほどでしたが、少しずつシリンジで飲ませ、昨夜と同じようにベッド横の即席ベッドに寝かせ、手をつないだり、お腹をさわりながら呼吸を確認しつつウトウトと。
20日、朝の3時半ごろ、弱かった呼吸が静かになっている事に気づき、体をさわってみましたが、クロの体はまだ温かく
手をつないだまま、静かに眠るように逝ってしまったようです。

残念ながら、あれからテレパシーで会話することもできませんでしたが、20歳と5ヶ月を生き抜き、虹の橋を渡って『猫の国』に旅立っていったと思います。
手がかかって大変なことばかりでしたが、一緒に暮らせて本当に幸せでした。
ありがとう『クロ』